ファナックは、富士箱根伊豆国立公園に隣接した豊かな自然環境の中にあり、富士山の清浄で豊富な地下水を水源として使用しています。地下80メートルから汲み上げられる地下水は、年間を通して水量・水質ともに安定しており、ファナック自体は水資源に恵まれ、水不足のリスクはほぼないに等しい環境にあるといえるでしょう。
しかしながら、世界では水が不足している地域があり、国連環境計画の報告では、2025年には一部の地域で水不足がさらに深刻化すると予測されています。
ファナックは日頃から水のリサイクル利用の徹底、排水の浄化処理と水質管理の徹底など、水資源の保全に取り組んでいます。また、良好な水質で排水を行うために水質汚濁物質に関する規制値を遵守しています。
ファナックは、水資源の保全を重要課題と認識し、代表取締役社長 兼 CEOを責任者と定めています。
水資源の保全問題については、環境経営推進体制および環境マネジメントシステムにおいて審議しています。
ファナックの本社地区には25の工場があり、生産に必要な水はすべて地下水を使用しています。さらに、工場では生産に使用した水を冷却などに再利用しています。
また、下水放流の際にはpH値を調整する浄化処理を一部で行い、高い排水基準の確保に努めています。
サプライヤが鋳物を冷却する工程や顧客が当社商品を使用する工程においても水資源を使用するため、水資源の間接利用も重要な課題であると判断しています。
サプライヤに対し、CSR調達方針を周知し、水資源の効率的な利用、循環利用を推進するよう求めています。
製造子会社2社と当社への売上が30%を超えるサプライヤ10社の合計12社に対し、年1回、水使用量、水排出量などの具体的な項目について調査を行い、数値化して評価し、リスクの特定と評価をします。有意として規定している上位3社を選定し、生産に伴う環境負荷を削減する具体的な目標を立てて取り組みを推進するよう働きかけをします。数値が大きく変動した場合は理由を確認し、必要に応じて適宜アドバイスを行います。